年が明けるとすぐに、多くの問屋やメーカーでは初市を開催する。各小売屋には、すでに暮れのうちに案内状が送付されており、仕入れをするかしないかは別にして、大概そこで年始の挨拶をすることになる。だが今年は、元旦に予期せぬ災害が…
今年初めて店を開けたのが、8日の月曜日。この日は成人の日であったが、甲府市の式典は、一日前の日曜日・7日に執り行われた。なのでバイク呉服屋は、成人式に店を閉めていたことになる。世間からは、呉服屋が一年で一番忙しい日と考え…
夢というものは真にあやふやなもので、その内容が記憶されることはほとんど無い。人の睡眠は、深い時と浅い時を繰り返し、どちらの状態でも夢は見ているそうだが、覚えているのは、起きる直前、即ち浅い睡眠時(レム睡眠)に見た内容であ…
2024年の年明けを迎えました。元旦と二日に、思いもよらない大きな災害と事故が起こってしまい、到底新年を寿ぐ気分にはなれませんが、ともあれ、本年も相変わらずよろしくお願い致します。 天災が時と場所を選ばず、容赦なく襲って…
もうここ何年も、一年の仕事を終える日は28日と決まっている。毎年この日を目途に、納品や売掛金の回収を終え、大掃除を済まそうと計画を立てるが、師走の仕事は年々前倒しになる傾向があり、それほど慌ただしくはならない。 こうして…
その昔織物は、二つに大別された。高級品と見なされた絹織物が呉服であり、庶民の日常着として使った麻や綿織物は、別に太物と称されていた。細い絹糸に比べて、麻糸や綿糸は太く、特に手で紡ぐ糸は太さに大きな差があったことから、太物…
毎年暮れの風物詩になっている浅草寺の歳の市が、今週末の三日間で開催される。従前は正月用品や縁起物を売る観音様の縁日であったが、江戸の末期頃から羽子板を売る店が数多く立ち並ぶようになる。この当時は、女の子が生まれた家に羽子…
江戸の昔、商いというものは、凡そ三つの形態に分けられていた。目抜き通りに大きな間口で店を開いていたのが「大店(おおだな)」で、大勢の従業員を雇い入れ、主に高級品を売っていた。米や塩、醤油などの食品を始め、金物や化粧品、書…
ランドセルの色は、ついこの間まで、男の子が黒、女の子が赤と決まっていたように思えるのだが、最近街で見かける色は、水色や薄紫の優しいパステル色あり、鮮やかな緑やビビッドな黄色あり、中にはキャメル色とか銀鼠色のような、大人っ…
一般に、実物を小さくした見本や模型のことを、雛形(ひながた)と呼ぶ。これが染織世界の語句になると、「ひいながた」という呼び名に変わる。意味は実物の手本なので、「ひながた」と変わりはない。だが違うのは、これが友禅模様の見本…