去年(こぞ)ともに 歩きし人よ 「いない」ということ 思い知る葉桜の下(俵万智) 季節は何も無かったように巡り、また葉桜が芽吹く頃になった。去年と変わらぬ風景の中で、共に歩く人だけがいない現実。葉桜の下で、そのことを思い…
1000人あたり、1.7人。この数字は一昨年、生後一年以内に死亡してしまった赤ちゃんの割合。この乳児死亡率は、諸外国(欧米では平均2~5人)と比較してもかなり少なく、日本は世界の中で、赤ちゃんの養育環境が最も整っている国…
家で、最後にお雛様を飾ったのはいつのことだったか。長女が小学生のうちは、飾っていた覚えがあるのだが、それでも、もう20年も前になる。立派な七段飾りで、家内の両親が奮発して贈ってくれた豪華なもの。子どもが小さい頃は、狭いと…
たまに頂く読者からのメールで、「よく話のネタが尽きませんね」と感心されることがあるが、実はブログのテーマは、二か月先くらいまでほぼ決まっている。今は月に4回の更新で、そのうち一度は必ず、季節に相応しい品物を選んでコーディ…
数日前、京都の小さな工房で染めている蠟染の帯が、数点送られてきた。これは、ある取引先から、「ぜひ一度、目を通して欲しい」との依頼を受けた品物。話によると、「取引先のどなたかで、私の帯を見て頂き、気に入ったらぜひ求めて頂き…
バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣が生まれたのは、いつのことだっただろう。バイク呉服屋が中高生だった、昭和40年代終わりから50年代初頭にはすでに、2月14日は女子がチョコ持参で愛を告白する日として、盛り上がりをみ…
「おまえ百まで、わしゃ九十九まで、共に白髪の生えるまで」とは、能・高砂に出てくる老夫婦に因んで作られた謡曲の一節で、夫婦が仲良く、長く連れ添うことを願う意味で使われる故事として、よく知られている。そして、この能の中では「…
0~9まである数字には、縁起の良いものと悪いものがあると、誰もが認識している。例えば、ラッキーナンバーとされている7だが、これが良い数字として定着した根底には、キリスト教において、7が完成を意味する数として理解されている…
和装にとって江戸という時代は、画期的であり、またある意味では、革新に満ち溢れた時代だったように思える。例えば、桃山期から江戸初期に使用した帯は、幅の細い平絎(ひらぐ)帯や細い紐状のモノを巻き、結び垂らしていただけだったが…
バイク呉服屋への仕事依頼のほとんどは、まずメールから始まる。それはいつも突然のことであり、その多くは、店が位置する山梨県以外に在住されている方からだ。都内を含めた関東圏からがほとんどだが、仙台や名古屋、大阪や兵庫など遠方…