毎年8月末になると必ず行うのが、棚卸。これは店の棚に並ぶ品物が、きちんと帳簿に掲載されている通り実在するか、それを確認する作業。これにより在庫の総額が判り、決算時に算出する損益計算では欠かせない資料となる。バイク呉服屋の…
ひと昔前までは、お盆が終わると朝夕は涼風立って、少しは凌ぎやすくなったもの。けれども、ここ数年はまったくそんな気配がなく、暦の上の立秋などどこ吹く風。甲府では今夏、過去最高を更新した昨年の猛暑日数・43日をすでに上回って…
今年はお盆の曜日の並びが良く、前後の土日とあわせて9連休という方も多いだろう。例年通り交通機関は混雑し、各地の観光地では賑わいが続いている。今週はバイク呉服屋も休みを頂いているが、家内は新盆で実家へ行き、三人の娘たちも仕…
信用調査会社の報告によれば、一昨年・2024年の山梨県内企業における後継者不在率は、50.2%。業種別では、不動産業が66.7%と最も高く、小売業は二番目で62.9%。つまるところ、小売業全体の約三軒に二軒の割合で、商売…
棘を持つ美しい花と言えば、真っ先に挙げられるのはバラとアザミだろう。この二つはどちらも鮮やかで上品な花を咲かせるが、持つイメージは対照的。バラの多くが観賞用として栽培されているのに対し、アザミは路傍で自由に咲いている野花…
色の雰囲気を理解しなければ、色染職人として一人前になれない。これは、うちで白生地や八掛の色染を依頼している、江戸の伝統工芸士・近藤良治さんから聞いた言葉。どんな色でも、見本帳の色と全く同じにはならない。なので、依頼された…
西日本ではすでに6月中に梅雨が明け、関東甲信越でも、この週明けには夏の到来が宣言されそう。今年はほとんど雨が降らない空梅雨。各地ではもう、日照りによる米の生育不足が心配されている。地球温暖化が叫ばれて久しいが、すでに日本…
江戸初期の寛永年間(1624~44)頃までは、一般庶民や農民のキモノには、麻や苧(からむし)の粗末な素材が使われ、これに細紐や縄を帯代わりにして結んでいた。当時は、木の皮から繊維を取って糸を紡ぎ、それを草木染料で染める。…
会話の中で「なんちゃって・・・」と使うのは、その内容が本当ではないことを、冗談めかして相手に伝える時。この語句の背後には、嘘とか偽とかを誤魔化して茶化す姿が見え隠れする。こうして文章にしてみると、あまり程度のよろしくない…
常々思っていることだが、呉服屋というのは様々な意味で、出来るだけ間口を狭めて商いをすることが、一番良い気がする。人を雇い入れることなく、主人だけ、あるいは妻と二人だけで、ひっそりと静かに店を構える。扱う品物もアイテムを絞…