江戸初期の寛永年間(1624~44)頃までは、一般庶民や農民のキモノには、麻や苧(からむし)の粗末な素材が使われ、これに細紐や縄を帯代わりにして結んでいた。当時は、木の皮から繊維を取って糸を紡ぎ、それを草木染料で染める。…
会話の中で「なんちゃって・・・」と使うのは、その内容が本当ではないことを、冗談めかして相手に伝える時。この語句の背後には、嘘とか偽とかを誤魔化して茶化す姿が見え隠れする。こうして文章にしてみると、あまり程度のよろしくない…
常々思っていることだが、呉服屋というのは様々な意味で、出来るだけ間口を狭めて商いをすることが、一番良い気がする。人を雇い入れることなく、主人だけ、あるいは妻と二人だけで、ひっそりと静かに店を構える。扱う品物もアイテムを絞…
一年の内で、呉服屋の仕事が一番暇なのは夏というのが、従来からの習わしであった。この季節は、成人式や七五三のような通過儀礼が無く、また入学式や卒業式のような節目の行事も無い。そして婚礼は暑い夏を避けて、気候の良い春や秋に行…
初めてブログに原稿を起こしたのが、2013年の5月。今から、12年も前になる。それから数えて、今日は第774回目の稿になる。月の更新回数こそ3回と、初期に比べればかなり少なくなったものの、未だに二週間以上ブランクを開ける…
送信した電子メールは、相手にどれほどの速さで届くのだろうか。これはサーバーの状態によっても変わるが、特に問題が無ければ数秒程度で完了するらしい。メールの仕組みは、送信者のサーバーから受信者のサーバーへとリレーされることで…
信号機の赤は止まれ、青は進め、では黄色はとなると、注意しながら進めではないかと思い込んでいる人が多い。実は私もその一人なのだが、この信号が灯った時には、停止線の前で止まれというのが正しい。但し、線を越えて交差点内に進入し…
ロスジェネ世代とは、バブル崩壊後の1993(平成5)年~2004(平成16)年辺りに高校や大学を卒業し、就職活動を余儀なくされた人々を指す。この時代、日本経済は一挙に後退局面となり、企業は一斉に新卒採用を控えた。そのため…
品物を着用した訳でもないのに、家の箪笥などで保管中のキモノや帯に、シミ汚れや色ヤケ、あるいは箔の脱落や糸のほつれなど、様々な不具合が出ることがある。その原因は、気温や湿度など保管している室内の環境=外的要因と、品物本体の…
真冬のような凍える日が続いたかと思うと、コートが邪魔になるくらい暖かな日差しに包まれる日もある。冬から春へと渡る3月は、まるで螺旋階段を上がるように、ゆっくりと季節が動いていく。北国では特に、一歩進んで二歩下がるような感…