今年は、近年にない寒い冬のように思える。例年であれば、東京で朝の気温が氷点下になるのは、ひと冬に2,3回なのだが、先月中旬から今月上旬あたりにかけては、連日のように氷点下を記録していた。 また、北陸や東北の日本海側では異…
2月7日は、北方領土の日。第二次大戦後、ソ連(ロシア)に実行支配され続けている北方四島(国後・択捉・歯舞群島・色丹)の返還を求めるために、国民的な関心を高めようとして、1980(昭和55)年の国会決議により制定された日。…
江戸の女性達は会話の中で、お金のことを「お足」と呼んでいた。この習慣が今でも残り、「今月はお足がなくてね」などと、話す人がいる。 足が付いているかの如く、自由に世間を行き交うお金。確かにこの喩は、言い得て妙である。商いを…
結婚式に仲人の存在が無くなってから、久しい。昭和の時代に結婚した我々世代にとって、現代の式の変貌ぶりには、隔世の感がある。 本来の仲人は、まず見合いの設定をし、二人の気持ちを確認しながら仲を取り持ち、最後式に繋げるまで、…
今日は、冬至。一年のうちで、最も昼が短く、最も夜が長い。今は、夜が明けるのが7時少し前で、夕方4時半を過ぎるともう陽が落ちる。年の瀬が迫り、ただでさえ仕事に追われているが、陽が短いことで、なお急かされているような気がする…
呉服屋も、和裁士も、生地を裁断することは、「布を切る」ではなく、「布を裁つ」と言う。和裁士が仕事の中で、もっとも神経を使うのが、この裁ちを入れる時である。 和裁士は、呉服屋が採ったお客様の寸法に合うように、間違いなく裁ち…
毎年暮れになると、その年の流行語大賞が発表されるが、今年は「忖度」と「インスタ映え」だと言う。 忖度とは、相手の気持ちを推し量ることなので、別に悪い意味を持つ語彙ではないのだが、今年流行するきっかけとなった経緯を考えると…
うちの奥さんは、毎年今頃大根を漬ける。糠と一緒に、鷹の爪や乾燥させた柿の皮を混ぜ、そこに塩とカルピスを入れる。漬物にカルピスとは、何とも不思議な取り合わせだが、使うことにより、発酵を促進すると同時に、甘酸っぱい独特の風味…
毎年、11月も半ばを過ぎると、そろそろクリスマスのことが気になりだす。すでに街では、イルミネーションが煌き、赤と緑のクリスマスカラーが、目立っている。この、年末最大のイベントほど、人それぞれの状況で、過ごし方が変わるよう…
日頃、キモノを良く着用される方でも、使い道に苦慮する品物がある。この方々の多くは、母や祖母から譲り受けた古いモノでも、汚れを落とし、寸法を直しながら、大切に扱い続けているような、いわば「品物を無駄にしない」人たちである。…