「降る雪や、明治は遠くなりにけり」と、俳人・中村草田男が詠んだのが、1931(昭和6)年のこと。 これは、雪の降る日に、自分の母校である青南小学校(現在の東京港区立青南小学校)を20年ぶりに訪ね、その時の思いを詠んだ句で…
2月7日は、北方領土の日。第二次大戦後、ソ連(ロシア)に実行支配され続けている北方四島(国後・択捉・歯舞群島・色丹)の返還を求めるために、国民的な関心を高めようとして、1980(昭和55)年の国会決議により制定された日。…
江戸の女性達は会話の中で、お金のことを「お足」と呼んでいた。この習慣が今でも残り、「今月はお足がなくてね」などと、話す人がいる。 足が付いているかの如く、自由に世間を行き交うお金。確かにこの喩は、言い得て妙である。商いを…
結婚式に仲人の存在が無くなってから、久しい。昭和の時代に結婚した我々世代にとって、現代の式の変貌ぶりには、隔世の感がある。 本来の仲人は、まず見合いの設定をし、二人の気持ちを確認しながら仲を取り持ち、最後式に繋げるまで、…
「Key man・鍵を握る人」とは、文字の通り、物事の中心となる人物であり、この人の思考力や仕事の進め方などで、成否が決まる。 キモノや帯を社会へ提供するという意味において、鍵を握っているのは、やはり呉服屋である。消費者…
犬は、食べ物を目の前に置くと、よだれを出す。この反応は、犬が先天的に持っている反射行動、いわゆる無条件反射である。だが犬は、訓練を繰り返すと、食べ物がなくても、よだれを出すようになる。 1902(明治35)年、ソビエトの…
このところの寒波の到来で、すっかり正月気分が抜けてしまった。雪に慣れているはずの日本海側の地方でも、ここ数日のドカ雪は、人々の生活に深刻な影響を与えている。昨夜などは、新潟で列車が立ち往生して、数百人の乗客が一昼夜、車内…
あけましておめでとうございます。 例年通り、年末年始の休みを長く頂きましたので、バイク呉服屋は、今日が仕事始めとなります。予定では、明日まで休むつもりでおりましたが、年末に持越しをした直し依頼の品物が、畳の上に山と積まれ…
「皆様、お手を拝借」の声で、手締めが始まる。「シャシャシャン、シャシャシャン、シャシャシャン、シャン」と三三一拍子を三回繰返し、最後は拍手で終える。手締めには、一回だけの一本締めと、三回の三本締めがあるが、地方ごとに様式…
今日は、冬至。一年のうちで、最も昼が短く、最も夜が長い。今は、夜が明けるのが7時少し前で、夕方4時半を過ぎるともう陽が落ちる。年の瀬が迫り、ただでさえ仕事に追われているが、陽が短いことで、なお急かされているような気がする…