牛首紬の故郷、白峰村を訪ねたのはもう30年以上前になる。福井県の勝山から京福バスで延々と辿った道が懐かしい。白山を眼前にして、藁葺きの家が散在する山深い里であった。「桑島温泉」に浸り、名物の堅い豆腐を食べた記憶が甦る。 …
日、祭日だけは一日中店にいるようにしている。とはいっても「一人きり」なので、急な用事ができると「店主不在の張り紙」をして出かけることになる。幸い「商店街」の中に店舗があるので、「不測の事態」が起きても「周りの目」があるの…
自分で選び、買い入れた品物は、「娘」のようなものだ。その中で、お客様に選んでもらえず、長く店に残る品は、「お嫁に行けない娘」のような気がする。 施された仕事も丁寧であり、柄行きのセンスもあるのに「残る品」は、さしづめ、「…
これまで、「ノスタルジア」の稿では、「重厚」な作品ばかりを紹介してきた。加賀友禅や京友禅の「振袖」や「留袖」など、もう手に入らない品ばかりである。 今日ご紹介するのは、そんな「大御所」の品ではないが、「京友禅」の図案の描…
この20年の間の呉服市況の低迷により、多くの問屋、メーカーが倒産や廃業に追い込まれてきた。前にお話した通り、市場規模が全盛期の1割以下に落ち込み、生産量(染呉服)は5%以下という、考えられないような少なさの状況ならば、あ…
「手間をかける」ということが軽んじられている時代だと思う。 「試行錯誤」を繰り返し、何度も立ち止まり、迷いながら一つのものを作り上げる。知識や経験は年を重ねるごとに深まり、その人の「年輪」として積み上がる。「熟練者」は常…
「手を入れる」仕事を承る時、一番大切なのが、依頼される方の気持ちだと思う。 品物に対して、どのような「思い入れ」があるかということが重要で、それによって、どの程度直してよいのか私の「覚悟」が決まる。 だから、その直す品が…
「世代を越えてお召しいただく」ということを大前提にしている当店には、手を入れるために様々な品が「里帰り」して来る。 今日ご紹介するのも「母から娘」に引き継がれてゆく、今は亡き加賀友禅作家の品である。素晴らしい手仕事は、時…
私は「いきものがかり」の楽曲が好きだ。特にバラードは何を聞いても心に響く。このカテゴリーの「ノスタルジア」もそこから想起させていただいた。。「ソプラノ」や「会いにゆくよ」「愛言葉」などたくさんのバラード楽曲は、「せつなさ…
「ノスタルジア」とは、「過ぎ去った時代」を「懐かしむ」または「いとおしむ」という意味である。 このカテゴリーでは、当店が所有しているもの、また過去にお客様が当店よりお求め頂き、所有されているものの中から、亡くなってしまっ…