二月も半ばを過ぎ、大学受験シーズン真っただ中である。長引くコロナ禍は、受験事情にも大きく影響を及ぼし、感染拡大や経済の急速な悪化によって、志望校の変更を余儀なくされた受験生も多いと伝え聞く。人生には運不運が付きものだが、…
平安京・京都から見ると、平城京・奈良は南に位置しているので、南都と称される。そのため、ここで花開いた奈良仏教を南都六宗と呼ぶ。三論・成実・法相・倶舎・華厳・律。それぞれの宗派は朝廷から保護を受け、平城京周辺に壮大な寺院を…
山梨の銘菓として、幅広く知られている信玄餅。うちでも、県外から来店されたお客様へのお土産、あるいは出張の際の手土産としてよく使っている。きな粉をふりかけた餅を一個ずつ別包みし、添えてある黒蜜をかけ、楊枝で食べる。私などは…
人が一生の間で、自分の縁者が一堂に会する場面というのは、結婚式とお葬式が双璧ではなかろうか。裏を返せば、この儀式の様子で、その人の人間関係や歩いてきた道を知ることが出来る。いわば、人生が透けて見えることになる。 だが、長…
1950(昭和25)年8月に施行された文化財保護法。その中の第71条第2項に、無形文化財の規定がある。それは、「演劇、音楽、工芸技術その他無形の文化的財産で、我が国にとって歴史上又は芸術上価値の高いもの」と位置付けられる…
昨日、新しいパソコン・Windows10を導入した。何故なら、来年の1月には、Microsoft社がWindows7のサポートを終了するからだ。私としては、現在使っているWindows7でも、全く不自由はないのだが、やは…
野分のまたの日こそ、いみじうあはれにをかしけれ。立蔀・透垣などの乱れたるに、前栽どもいと心苦しげなり。(枕草子・第200段) この「野分のまたの日こそ」は、枕草子の中でも有名な段の一つであり、中学・高校の古典教科書の中で…
うちの店の入り口には、小さなショーケースが設えてある。普段ここは、丈の短い撞木(品物を掛けて見せる道具)を一本置き、反物や帯を掛けている。店はアーケード街の中にあるのだが、入り口に近いために、夕方になると西日が射し込んで…
「手に取るな やはり野に置け 蓮華草」。これは、江戸中期の享保から宝暦年間に活躍した、滝瓢水(たきひょうすい)の句である。自分の友人が、置屋から遊女を足抜け(助け出すこと)させようとしたのを見て、それをたしなめて詠んだと…
国が、歴史的に地域に根付いた手工業による産品、いわゆる伝統的工芸品の認定を始めたのは、今から43年前の1975(昭和50)年のこと。その数は昨年11月末で、230品目にも及ぶ。 伝統的工芸品として認められるには、100年…