文月(ふみつき・ふづき)は、旧暦7月の呼称だが、この名前は、稲穂が実る月・穂含月(ほふみづき)、あるいは、七夕に書を干す習慣・文披月(ふみひろげつき)などに由来すると言われている。 現代の新暦と旧暦の間には、ひと月以上の…
涼やかに見える色の組み合わせを考えてみると、それはやはり青と白になるだろう。青をイメージするものは、空や海や水であり、我々が住む星・地球の色もまた青である。青は、常に人の傍らにある自然な色として、存在していると言えるだろ…
和装における特徴的なオシャレとは、何か。それはやはり、着姿から見えないところや目立たない場所に、華麗な色や意匠を凝らすことだろう。何かの拍子で、キモノの裾が返った時に見える八掛の色、袖の振りから僅かに覗く襦袢の模様、そし…
「験を担ぐ」とは、縁起を気にして一定の行動を繰り返すことを言うのだが、以前良い結果が出た時のある行いを、吉祥の前兆と考えるからこそ続くこと。この験なる行動は、担いでいる本人だけが拘っていることで、傍から見れば、それほど意…
呉服屋の品物は、様々な経緯を辿って、店先や棚に並んでいる。当然のことだが、商いをする時には、反物や帯をお客様の前で広げて、その地色や柄行きを見て頂くことになる。けれども見る側にとって、品物の内容を見ても、これが新しい品物…
先週の金曜日・29日に、桜がようやく開花した。甲府では昨年より12日、東京では15日遅い。去年の満開日が3月22日だったことを考えると、今年の遅さが際立つ。ここまで遅れたのは、2012(平成24)年以来のことだが、これは…
皆様は、日本の俳優の中で「名脇役」と言えば、誰を思い浮かべるだろうか。私は、大滝秀治さん。朴訥な好々爺だったり、一徹な頑固者を演じてみたり、時にはコミカルな一面も見せたりする。70年代には、社会派と呼ばれた日本映画・金環…
自宅から店への通勤には、毎日バイクを使っているので、ちょっとした気温の変化や風の違いを体感出来る。冬から春へと季節が渡ることを実感するのは、毎年今頃。「暑さ寒さも、彼岸まで」の言葉通り、春分の頃になると、バイクが辛くなく…
外見や見た目で人を評価してしまうことを、ルッキズムと呼んでいる。この言葉は、look(外見)とism(主義)で構成され、それは「外見重視主義」という意味を持つ。本来人の評価は、外的なことではなく、内的なことで決めなければ…
どんなドラマにも主役と脇役が存在するように、季節を彩る植物にも、それぞれの持ち場があるように思える。野に山に庭に、芽吹き始めた木は、時を経るごとに蕾を持ち、やがて花がほころび始める。春という季節は、否応なく、そして最も強…