真冬のような凍える日が続いたかと思うと、コートが邪魔になるくらい暖かな日差しに包まれる日もある。冬から春へと渡る3月は、まるで螺旋階段を上がるように、ゆっくりと季節が動いていく。北国では特に、一歩進んで二歩下がるような感…
毎日各地で、大雪のニュースが報じられている。特に、日本海側の地方では数年ぶりの豪雪となり、日々の雪下ろしに苦労している様子が伝えられている。一方で太平洋側では、ほとんど雨や雪が降らず、空気はカラカラに乾燥している。そして…
桟敷(さじき)と名前の付いた観覧席を持つのは、歌舞伎と相撲。どちらも長い歴史を誇る日本古来の伝統芸能と武道で、その催しを興行と呼び、鑑賞方法にも前近代的なしきたりが残される。桟敷はその名残であるが、それは他の一般席と明確…
撞木と衣桁は、呉服屋の店先を彩るディスプレイには絶対に欠かせない道具。撞木は、丸く巻かれた反物や平畳みの帯を、衣桁は、予めキモノの形で商品化されている絵羽モノを飾るために使う。反物は、無地や付下げなど一部を除けば、その多…
縞が文様の中で、単純にして最も多彩な図案であることは間違いない。そして、この直線で構成される幾何学文様は、経糸と緯糸とが交差する織物に図案の基がある。つまり織の手法そのものが、縞という柄と大きく関わっていることになる。 …
本来なら、湿度が低く晴天が続く10月下旬から11月初旬は、キモノの虫干しや湿気抜きには絶好の季節だが、今年は10月半ばを過ぎても涼しくならず、25℃以上の「夏日」が続く。なかなか、秋特有のカラリと澄んだ空気に入れ替わらな…
体を伸ばしては縮め、縮めては伸ばしながら匍匐(ほふく)前進する。この姿が、指で寸法を採る姿に似ていることから、「尺取り虫」の名前が付く。このモゾモゾとまだるこしい動きをする幼虫は、やがてシャクガという蛾に成長する。 虫の…
秋の折り返しとなる秋分を過ぎても、一向に涼しくならない。空の上では、未だに入道雲が幅を利かせ、イワシ雲やウロコ雲は一体どこへ行ったやら。日中の気温は平気で30℃を越え、その上夕方になると突如雷鳴が響き、ゲリラ豪雨が街を襲…
今の若い人たちは、LINEなどSNSにおける文章には、句読点を付けないことが多いようだ。そして、もし年長者から句読点の付いた文が送信されてくると、窘められているような感じがして、威圧的な印象を受けると言う。もちろん、送っ…
最高気温が35℃以上を記録すると、その日は猛暑日となるが、甲府では先月の25日から今月15日まで、22日連続してこの猛暑日が続いた。これまでの最長が、1995(平成7)年に記録した17日だったので、これを29年ぶりに更新…