その店が、どんな呉服屋であるか。それは、店の顔として設えられたウインドの飾り方で、ほとんど理解出来るように思える。フォーマルの代表格である振袖や黒・色留袖、あるいは訪問着など、いわゆる「絵羽モノ」を衣桁に掛け、傍らにそれ…
菫(すみれ)ほどな 小さき人に 生まれたし 作者は、明治の文豪・夏目漱石。 1897(明治30)年、英語教師として熊本の旧制第五高等学校へ赴任していた頃に詠んだ句。道端でひっそりと咲くスミレは、目立たずとも、たくましく…
おめでたい吉祥文様と言えば、真っ先に思い浮かぶのが松竹梅文。酷寒の中でも気高い姿を保つ三つの植物は、古来より中国では「歳寒の三友」として尊ばれていたが、日本では室町期あたりから、この三つを組合わせた文様を吉祥文・松竹梅文…
金の価格が上がり続けている。現在の取引価格は、1gあたり25000円前後。5年前の2020年が6000円台、そして20年前の2000年が1000円ほどだったことを考えると、いかに高くなったのかが判る。 古来この貴金属は「…
ユーティリティプレイヤーとは、サッカーや野球などのチームスポーツで、様々なポジションをこなすことが出来る器用な選手を指す。例えばサッカーでは、攻撃の中心であるセンターフォワードも出来れば、守備の要であるディフェンダーとし…
江戸時代、庶民の間で最も流行した色は、茶と鼠。その数は、「四十八茶、百鼠」と言われたほど多く、各々の色には、その色に縁のある役者や歴史上の人物、あるいは花鳥風月に関わる名称などが冠せられていた。人々はその名前から、微妙に…
「原色染織大辞典(淡交社刊・1977年)」は、このブログ稿を書くに当たり、難しい専門用語や技法について調べたり、その意味を探る時に扉を開く。この辞典に収められた項目は、約1万4千。1200ページ以上ある分厚な辞典はズシリ…
このところ、ブログ読者の方が店にやってくることが多い。それも連絡なしに、突然である。先週の土曜日にも、都内在住の30代の女性が一人でやって来られた。定休日以外にも、用事があれば店を閉めて出かけてしまうので、折角いらしてく…
長年携わってきた自分の仕事を、国が認めて、その功績を褒めて貰うということは、やはり嬉しく誇らしいことなのだろう。特に国会議員や企業経営者などはその傾向が強く、貰えるものなら、少しでも格の高い勲章が欲しいらしい。こうした承…
中庸(ちゅうよう)とは、儒教の中核を担う概念の一つで、考え方に偏りがなく、調和がとれていることを意味する。人物的に考えれば、対立する双方の意見の間に立ち、どちらの立場も尊重し、互いを納得させることが出来る、中立公正な人に…