バックパッカーだった若い頃、度々「ステーション・ホテル」を使った。このホテル、代金は一切掛からない。寝袋さえあれば、勝手に泊まることが出来る。私は、駅ばかりか、庇の付いたバス待合所や、農業倉庫のトタン屋根の下なども度々利…
在庫を持たず、必要なモノを、必要な量だけ、必要な時に生産する方式。世界に冠たるトヨタ自動車が産み出した生産方式、「ジャストインタイム」である。 自動車は、製品として完成させるまでに、多くの製造過程と、沢山の部品を必要とす…
東洋の魔女、柔道無差別級の王者・ヘーシンク、大会の花・チャスラフスカ、裸足のアベベ。1964(昭和39)年に開催された東京オリンピック。この選手達の姿に覚えのある方々は、もう60歳以上であろう。 5歳だったバイク呉服屋に…
1958(昭和33)年に刊行された「点と線」は、松本清張の作品の中でも、代表的な社会派推理小説の一つである。 あらすじは、情死に見せかけた殺人事件の謎を解いていく物語。事件は、博多郊外の香椎海岸で起きているのだが、犯人と…
一般的に、能率を上げるとか、効率を良くするということは、能動的・前向きなことと受け止められている。 それまで人の手で行ってきた仕事を、機械で代用することが出来れば、時間が短縮出来る上に、人件費を削ることが出来る。結果とし…
ひと昔前までは、月末になると、多くの取引先の担当者が、店にやってきたものだった。問屋の社員達は、毎月、月はじめに開催される新作発表会の案内状を手に持ちながら、勧誘とご機嫌伺いを兼ねて、取引先を訪ね歩く。 ほとんどの問屋は…
東京方面から中央線に乗り、笹子トンネルを抜け、勝沼にさしかかると、車窓の左側に甲府盆地が見えてくる。線路が山際に敷かれているので、町全体を見渡すことができる。 2、3日前には、桃の花が満開となり、扇状地がピンクに染まって…
全国に「銀座」と名の付く商店街は、幾つあるだろうか。バイク呉服屋が店を構える通りも、「甲府銀座商店街」である。日本有数の商業地として発展した東京の銀座にあやかり、その名前を頂戴した繁華街は数知れない。 本来、銀座とは銀を…
最近、呉服の取引に関して、相談を受けることが何回かあった。時折ブログの中で、この業界の内実について書き連ねているので、話してみたくなったのだろう。聞けば、トラブルの多くが、展示会という商いの場で起こっている。 無理強引に…
「サクラサク」。「サクラチル」。文面がたった五文字のこんな電報のことを知る方は、もう50歳以上かもしれない。 現在、大学入試の合否発表は、当日、学内に掲示されるのと同時に、それぞれの大学のWEB上で判るようになっている。…