昔の夜汽車には、独特の風情があった。4人掛けの狭い座席で一夜を過ごし、浅い眠りから目覚ると、窓の外には、朝靄に煙る素朴な風景が広がっている。遠くへ旅に出ていることを、強く感じさせてくれたものだ。 今と違って、電気化されて…
迷走していた台風が去ったと思ったら、熱波の到来である。甲府も、ここ2、3日は37℃を越える日が続き、うだるような暑さだ。 長年バイクで外仕事をしていると、感覚的にその日の気温が判って来る。35℃以下なら、走っていれば風は…
年頃の娘を持つ家では、しばしば結婚が話題になる。だが、昔とは違って、親が干渉することはほとんどなく、どう考えるかは本人次第だ。我が家も、三人の娘達の結婚に関しては、当人達に任せてあり、自由に決めれば良いと考えている。 だ…
それにしても、ここ数年の雨の降り方は異常だ。一時間に100ミリを越えるようなゲリラ豪雨や、狭い地域に長時間雨雲が居座り続ける線状降水帯は、河川の水の許容量をはるかに越えて、人々に甚大な被害をもたらす。 この夏の福岡・朝倉…
山梨の夏の味覚と言えば、やはり桃だ。7月中旬から8月上旬は、出荷の最盛期を迎え、農家は早朝から収穫に追われている。私も毎年、他県に住む親しい友人たちに、少しだけ山梨の味をおすそわけしている。 桃の味は、どれも同じように思…
どの時代にも「アイドル」は存在する。現代では、AKBとかHKT、さらに桃色クローバーZなどのように、グループ化されているものがほとんどだ。バイク呉服屋のような50代のおじさんにとっては、どのグループにどんな女の子が何人所…
恐れ入谷の鬼子母神。びっくり下谷の広徳寺。情け有馬の水天宮。何だ神田の大明神。 いずれも、江戸天明期に活躍した狂歌師・大田南畝(おおたなんぼ)の作とされる地口だ。読んで判るように、地口なるものは、駄洒落のような言葉遊びの…
モノを持たずに暮らす人のことを、ミニマリストと呼ぶ。必要最低限のモノしか持たず、シンプルに生きる。こんな人々が注目され始めたのは、今から10年ほど前だ。 無駄なモノを徹底的に省くというのは、「もったいない」という精神から…
世間の奥様達は、「亭主元気で留守が良い」などとよく言う。会社が休みの日など、家でごろごろしている旦那の世話をするのが億劫で、自分の時間が持てない。だから、なるべく外に出ていてもらう方が、気が楽なのだろう。 今は、共稼ぎの…
キモノや帯の中には、お客様自身がモノ作りに参加し、自分だけの誂え・オンリーワンの品物を作ることが出来るものがある。織帯や型紙が必要なもの、さらに手を尽くした友禅の絵羽モノなどは、製作の工程や費用の面から考えれば大変難しい…