今月8日、イギリスのエリザベス女王が96歳で崩御された。1952年の即位から今日まで、実に70年の在位。これは、17~18世紀にフランスで君臨したブルボン王朝国王・ルイ14世の72年に次ぐ、世界史上二番目の長さである。君…
キモノ雑誌の代表と言えば、ハースト婦人画報社の「美しいキモノ」。1953(昭和28)年の創刊以来70年近く、和の装いに関わる情報を多岐にわたって発信し続けてきた。戦後の復興が端緒に付き、ようやく人々の関心が「食から衣」へ…
私の家の紋は「丸に五三の桐」、妻の実家の紋は「丸に木瓜(もっこ)」。どちらも、最もポピュラーな五大家紋(片喰・桐・鷹の羽・藤・木瓜)の中にある、極めてありきたりな紋である。日本の家紋は、二万種類以上はあるとされているが、…
お中元は、個人はごく親しい人や親戚に、そして企業は大切な顧客や取引先に対して贈る・夏の贈り物。若い人の間では、かなりこの習慣が薄らいでいると言われるが、時期が来れば、多くのデパートに専門のコーナーが設けられるところを見る…
言い方に語弊があるかも知れないが、戦争は、昔も今も「陣取り合戦」の域を出ないように思う。戦争を仕掛ける侵略国の為政者に対し、「力による現状変更は許さない」と多くの国が叫んでみても、まるで意に介さない。今回のロシアによるウ…
夏の呉服屋の店先には、様々な素材の品物が揃っている。浴衣の木綿、小千谷縮の麻を始めとするカジュアルモノには、綿麻、綿絹、麻絹など、異なる素材が混じり合う・混紡の品物も多い。そして木綿と一口に言っても、綿絽や綿紬、コーマな…
「隣の芝生は、青く見える」とは、自分が持つモノ、あるいは自分が置かれた立場や生活が、他人より劣っていると感じてしまうこと。たとえ、様子をちょっと覗き見しただけでも、他人のことは自分より良く見える。こんな心理状態に苛まれる…
日光東照宮の表門をくぐると、すぐ左側に見えるのが、神厩舎(神に仕える馬をつなぐ小屋)で、この長押(なげし・柱の繋ぎ目)には、十六匹の猿の彫モノが施してある。その中には、両手で目・口・耳を塞いでいる猿が見えるが、これが良く…
「山口百恵」と聞いて即座に反応できるのは、もう50代以上の方々であろう。夫は俳優の三浦友和、同じく俳優の三浦祐太朗・貴大兄弟の母と言った方が、若い方には理解されやすいかも知れない。日本テレビのオーディション番組・スター誕…
呉服屋の仕事として、最初に覚えなければならないことは、何か。これが、意外と沢山あって、スムーズにこなすようになるには、結構時間が掛かる。手先の器用不器用や、呑み込みの良し悪しも関係するが、何よりも覚える気の有る無しが大き…