キモノの着姿で、「粋(いき)な装い」というのは、洗練されたとか、あか抜けたという意味で使われているが、それと共に、少し「艶やか」な雰囲気をかもし出している時にもよく使われる。 「粋」という言葉は、江戸時代の芸者衆の、「着…
京都の中で、呉服問屋が軒を並べている場所は、「室町(むろまち)」と呼ばれている一帯である。 室町とは、もちろん「室町時代」に端を発するもので、問屋が林立する「室町通り」辺りは、1378年に幕府3代将軍、足利義満の居所、い…
呉服屋を長く続けていると、「寸法を測る」という作業がだんだん略されてくる。それは、「測らなくとも」、お客様の姿を拝見すれば、どこの寸法を工夫すれば着心地のよいものに仕上がるかがわかるようになるということだ。 身丈(キモノ…
呉服屋には、その商売にあたり、先人から伝えられてきた格言のようなものがある。例えば「一枚のキモノに三本の帯」。これは、「キモノ一枚に付き、三本の帯を合わせて使いまわせ」ということだ。持っているキモノは一枚でも、帯を変える…
昨日、中央高速が開通し、今朝からJRも復旧、東京方面へのアクセスが可能となり、甲府もようやく「陸の孤島」から抜け出しつつあるようだ。 だが、山間部の除雪が進まず、孤立している集落が多く残る。自衛隊が応援部隊を増強し、道路…
「寸法直し」の仕事でもっとも多いのが、「裄直し」と「袖丈直し」である。母や祖母のキモノを直して使おうとする場合、まず問題になるのが「裄」だ。 「袖付け」部分を解いて、余り生地の縫いこみがあるかどうか確認しても、使おうとし…
昔、呉服屋の丁稚が最初に覚えること、といえばまず「荷物」の解き方と作り方だった。問屋や職人のところから送られてくる荷物は、独特な紐の掛け方がしてある。今は、簡単な「ベルト」のようなものが使われ、それを外したり、鋏で切って…
暦の上では、明日が成人の日。甲府市をはじめ近隣の自治体では、今日式典が催されている。地方都市では、東京を始め他県に出ている新成人にも、帰ってきて参列しやすいように、連休の一日目に式が設定されている。 着付けをサービスに付…
問屋の初市というのは、毎年、正月明けの週明けに開かれる。年の初めなので、挨拶がてらに出かけてゆくことが多い。 仕入れをする目的がなくても、「ご祝儀」の意味もあり、品物を買い入れる。問屋の方でも、「お年玉」価格などと名を打…
仕事においては、どんな人にも「新人=駆け出し」の時代がある。大概は、すべてが「初めて」のことばかりで、戸惑ってばかりである。 今は以前より、仕事の上で「困る」ことは少なくなってきたが、それでも迷うことや不安になることは多…