バイク呉服屋には、手直しのために、多彩な品物が運ばれてくる。手を尽くした華麗な友禅のフォーマルモノから、日常の中で着倒されたウールや木綿まで、それこそ、和を装うための全ての品物がやって来る。 品物それぞれは、作られた時代…
先日、日本気象協会が発表した今年の桜開花予想によると、東京での開花は3月17日頃。やはり記録的な暖冬の影響を受けて、平年より10日ほど早くなっている。ここ数年、暖かい冬が続いているものの、今年は特別。平均気温は、全国軒並…
東野英治郎・西村晃・佐野浅夫・石坂浩二・里見浩太郎。5人の役者に共通する役どころと言えば、もちろん水戸黄門である。TBS系列で放映された「勧善懲悪時代劇」は、1969(昭和44)年8月から2011(平成23)年12月まで…
大概、人は自分の眼に映るものを、ひと色で表現する。太陽は赤、海や空は青、松は緑で、桜はピンク。もちろん間違いではないが、これは極めて雑駁な色の切り取り方であろう。 毎日、山の端や海の彼方から昇り、沈んでゆく太陽。その時、…
日本橋・人形町界隈は、呉服問屋の集まる街だが、その一角に大手進学塾のビルがある。眺めていると、夕方4時を過ぎた頃から、次々に小学生がやってくる。街角には塾の関係者が立ち、子どもたちを安全に誘導している。そして土曜日の昼な…
今年を表す漢字一文字が、「令」と決まった。5月には、平成から令和へと元号が移り、新しい時代の幕が開いた。万葉集・巻5梅花の歌32首の序文を出典とするこの元号について、安倍首相は、「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生ま…
一昨日、京都日帰り出張を敢行した。呉服を扱う問屋やメーカーでは、月初めに売り出しや新作発表会を行うが、師走には、一年を締めくくる「歳の市」と銘打って、バーゲンを行うところも多い。 今回の仕入れ目的は、紫紘の帯。この老舗帯…
このところ、すっかり日が短くなった。3時半を過ぎると、もう太陽が西へ傾き出すので、仕事をしていても、何となく急き立てられている気分になる。冬至まではあと40日もあるので、まだまだ日暮れは早くなる。 けれども、短い日を惜し…
呉服屋として長い間品物を見ていると、地色や挿し色に表現される微妙な色合い、図案のバランス、そして構図の取り方などが理解出来てきて、自然と「モノの見方」が磨かれてくる。 品物にとって「作り方」も重要だが、いくら手を尽くした…
今年の秋は、忙しい。もしかすると、ここ数年で一番かもしれない。毎年秋には、一週間ほど休みを取って、北海道を歩くことにしているが、今年はまだ実現していない。 こう書くと、バイク呉服屋は、次から次へと品物を捌いて、儲かってい…