人が生きる上で、どうしても欠かせないのが、ライフラインと呼ばれる設備。電気・水道・ガスに代表されるエネルギーや水、さらに交通や通信に関わる施設が滞りなく維持されなければ、一日足りとて、平穏な日常を送ることが出来ない。思い…
ここ数年、「金継ぎ(きんつぎ)」が静かなブームになっている。これは、破損した陶磁器を漆で接着し、そこに金や銀の粉を使って装飾を施し、修復させる技法。割れた箇所を継ぎ、欠けた部分を埋め、ヒビが入った所は補強する。古くは縄文…
チームスポーツの世界には、ユーテリティプレーヤーとか、オールラウンダーと呼ばれる人がいる。野球では、内外野を問わず守れる選手、サッカーだと、ディフェンス・オフェンスを問わずポジションをこなせる選手が、それに当たるだろう。…
去年(こぞ)ともに 歩きし人よ 「いない」ということ 思い知る葉桜の下(俵万智) 季節は何も無かったように巡り、また葉桜が芽吹く頃になった。去年と変わらぬ風景の中で、共に歩く人だけがいない現実。葉桜の下で、そのことを思い…
数日前、京都の小さな工房で染めている蠟染の帯が、数点送られてきた。これは、ある取引先から、「ぜひ一度、目を通して欲しい」との依頼を受けた品物。話によると、「取引先のどなたかで、私の帯を見て頂き、気に入ったらぜひ求めて頂き…
バレンタインデーにチョコレートを贈る習慣が生まれたのは、いつのことだっただろう。バイク呉服屋が中高生だった、昭和40年代終わりから50年代初頭にはすでに、2月14日は女子がチョコ持参で愛を告白する日として、盛り上がりをみ…
現代では、ある事象について秀でた知見を持っている研究者や知識人のことを、有職者(ゆうしきしゃ)と呼んでいる。政府や省庁が重要な事案を検討する時には、この人々を招いて会議を開き、提言を求めることがよくある。感心するのは、ど…
立冬を過ぎて、このところ晴天が続いている。日本列島の西にある大陸上に高気圧があり、東の千島列島付近に低気圧が位置するという、いわゆる「西高東低」の気圧配置になってくると、秋深く冬近しを思わせる。こうなると、太平洋側の地域…
夏の呉服屋の店先には、様々な素材の品物が揃っている。浴衣の木綿、小千谷縮の麻を始めとするカジュアルモノには、綿麻、綿絹、麻絹など、異なる素材が混じり合う・混紡の品物も多い。そして木綿と一口に言っても、綿絽や綿紬、コーマな…
先日新聞を広げていたら、来月から始まる夏の甲子園大会・県予選の記事が目に留まった。読むと、我が母校はBシード校になるらしい。もう何年も、予選の一回戦すら勝つことが難しかったというのに、シード校とは、一体どういう風の吹き回…