今、この国の中で、タンスの中に「眠り続ける」キモノの数はどのくらいあるだろうか。 総務省統計局が調査した、65歳以上の人口は、今年の9月現在で3296万人。そのうち女性は1875万人である。考えてみると、この世代は「キモ…
ここ何年間かずっと、何軒かの「振袖屋」さんから案内状やカタログが届いている。うちには、一歳おきに三人の娘がいるのだが、一体どこで「個人情報」を調べたのか。 うちの住居は、仕事場(店舗)とは別のところにある。プライベートな…
駅の改札口の近くに、「伝言板」というものが、置かれていたのをご存知だろうか。この記憶があるのは、おそらく40代以上の方だろう。 「待ち合わせ」をしていたのだが、何らかの不都合があり、「相手を待つことが出来なくなった時」の…
私は、物事を「順序立てて」考えることが苦手だ。未来がどうなるか「予想」して事を運ぶより、「出たとこ勝負」で、その時々に応じて考えを変えて行けばよい、と思っている。 よい意味で言えば「柔軟」、悪く言えば「いい加減」というこ…
うちの店舗は、商店街のアーケードの中にある。前の紳士服店も隣のメガネ店も二代目、三代目が跡継いで、商いをしている。どこの地方都市でも、中心商店街にある店舗は、代々「家業」として受け継がれてきたところが多い。 しかし、大型…
先週の日曜日、「振袖」に関する相談に訪れたお客様が二組重なった。振袖に関する「宣伝」など何もしない当店では、めずらしいことだ。 一組は、長年うちのお客様だった方で、おかあさんの振袖を娘さんに直して使うことの相談で、お見え…
家内に言わせると、私は「スーツとデスクワーク」が全く似合わない男らしい。これは、「オフィス」という場所とはほど遠いところにいるという意味で、つまりは「組織」というものと「縁遠い」人間ということを言い表している。 北海道に…
今日は、年度始めの日。多くの企業で「入社式」がとり行われた。厳しい「就職戦線」を勝ち抜き、「社会人」として第一歩を踏み出す「門出」の日である。 昔から、会社を辞めたくなる節目は、「三日、三ヶ月、三年」だと言う。入社して、…
「当てにしていただく」「頼りにしていただく」ということほど、小さな小売店にとって有難いことはない。 先月大雪が降って、身動きがとれなかった反動だろうか、このところ毎日お客様からお声がかかる。内容は、直す仕事だったり、品物…
東京の地下鉄に乗ると、「リクルート」姿の学生集団に出くわすことがよくある。おそらく、会社説明会や面接に向かうためなのだろう。彼等(彼女等)ほとんどの手には「スマホ」が握られ、画面を凝視している。その姿には、「後がない必死…