「袖擦り合うのも、多生の縁」の「多生」というのは、あらかじめ前世から定まった縁(えにし)であることを言う。偶然に思える出会いでも、それは予め定められた天の差配ということになるだろうか。 昨日、このブログが縁となったお客様…
人それぞれに、色に対する見方は違う。同じ色を見ても、ある人はぼやけたイメージとなり、ある人は優しいイメージを持つ。イメージカラーというものは、見る人の性格や経験、生活環境などにより変わることが多い。 一方、色の持つ意味を…
昨今の結婚式の形式は、多様化の一途を辿っているようだ。ありきたりなホテルや専用の施設ではなく、こじんまりとした郊外のレストランを借りたり、ガーデン・ウエディングなど屋外で催されることも多い。一方では、有名な神社の神殿など…
昭和の時代、地方の駅に降り立てば、必ずその土地の匂いがした。駅前に広がる町並みや行き交う人の言葉に、その町が持っている独特の空気のようなものを、感じることが出来た。 だが、新幹線網が日本中に張り巡らされた結果、駅や町その…
何といっても、町家(まちや)が立ち並ぶ小径が、いちばん京都らしい。 通り沿いの窓に付けられた紅殻(べんがら)格子は、部屋の中に外光を取り入れるための工夫で、中から外は見えるが、外から中は見えない。プライバシーを守るための…
今年の桜は、あっという間に散ってしまった。急に暖かくなって満開になったと思ったら、一昨日の風と雨で多くの花びらが飛ばされた。川沿いの桜並木から落ちた花びらで、川面が埋め尽くされる光景を見たが、これはこれで何とも趣きがある…
バイク呉服屋に、バイクがないのは困る。このブログタイトルにも偽りあり、ということになってしまう。1月25日の朝、26年もの間、私と共に働き続けてくれたバイクが終焉を迎えた。 御用聞きに、納品に、依頼品の受け取りにと、お客…
「東男に京女(あずまおとこにきょうおんな)」は、理想的なカップルと言われてきた。粋で気風の良い江戸っ子と、優しく上品な京都の女性との組み合わせは、傍で見ていてもお似合いに映る。 しかしながら、京おんなたちは一筋縄では行か…
先週の木曜日、東京へ出張に行く時、コートを着なかった。甲府の朝の気温が3℃ほどだったので、駅までバイクに乗るにも、耐えられる寒さだったからだ。新宿へ着いたら、ほとんどの人がコートを着用していたので、私だけが、寒々しいよう…
バイクの終焉は、あっけなく訪れた。先月25日の朝、お客様の所へ直し依頼の品物を預かりに行く途中、走行しながら「ふ~っ」と止まってしまったのだ。その後、キックスターター(足でエンジンをかけるところ)を何度踏みしめても、一向…