石の上にも、三年と言いますが、このコラム・ブログを書き始めて、今日で丸三年が経ちました。稿の数も、今日が丁度300回目です。 ブログを開設した当初、まずは三年間、同じようなリズムで書き続けることを、目標にしておりました。…
新橋・神楽坂・赤坂・浅草・芳町・向島。この街々は、東京でお座敷遊びができる、「花街」として知られている。料亭へ芸妓さんを呼び、歌と踊り、そして軽妙な会話を楽しみながら、もてなしを受ける。現代離れした、優雅で贅沢な遊び方で…
「売り家を、唐様で書く三代目」という諺を、ご存知だろうか。これは、初代が苦労して築いた財産も、三代目の頃になるとすっかり食いつぶして、没落してしまう商家を例えたもの。 どんなに繁盛した店でも、後を継ぐ者が遊び呆けていて、…
バックパッカーだった若い頃、度々「ステーション・ホテル」を使った。このホテル、代金は一切掛からない。寝袋さえあれば、勝手に泊まることが出来る。私は、駅ばかりか、庇の付いたバス待合所や、農業倉庫のトタン屋根の下なども度々利…
在庫を持たず、必要なモノを、必要な量だけ、必要な時に生産する方式。世界に冠たるトヨタ自動車が産み出した生産方式、「ジャストインタイム」である。 自動車は、製品として完成させるまでに、多くの製造過程と、沢山の部品を必要とす…
東洋の魔女、柔道無差別級の王者・ヘーシンク、大会の花・チャスラフスカ、裸足のアベベ。1964(昭和39)年に開催された東京オリンピック。この選手達の姿に覚えのある方々は、もう60歳以上であろう。 5歳だったバイク呉服屋に…
1958(昭和33)年に刊行された「点と線」は、松本清張の作品の中でも、代表的な社会派推理小説の一つである。 あらすじは、情死に見せかけた殺人事件の謎を解いていく物語。事件は、博多郊外の香椎海岸で起きているのだが、犯人と…
一般的に、能率を上げるとか、効率を良くするということは、能動的・前向きなことと受け止められている。 それまで人の手で行ってきた仕事を、機械で代用することが出来れば、時間が短縮出来る上に、人件費を削ることが出来る。結果とし…
ひと昔前までは、月末になると、多くの取引先の担当者が、店にやってきたものだった。問屋の社員達は、毎月、月はじめに開催される新作発表会の案内状を手に持ちながら、勧誘とご機嫌伺いを兼ねて、取引先を訪ね歩く。 ほとんどの問屋は…
東京方面から中央線に乗り、笹子トンネルを抜け、勝沼にさしかかると、車窓の左側に甲府盆地が見えてくる。線路が山際に敷かれているので、町全体を見渡すことができる。 2、3日前には、桃の花が満開となり、扇状地がピンクに染まって…