呉服屋商いの大きな特徴は、扱う品物を「長い目」で見ることだと思う。一般的にはどんな商いでも、仕入れた商品を短期間のうちに売って、効率良く利益を出すことが仕事の第一義となるが、呉服屋が扱う品物は、そう簡単に売れていくもので…
「片付ける」ということに対して、人の性格は、大まかに二通りに分けられるだろう。何事も、きちんと整えなけれ気が済まない人がいる一方、乱雑になっていても、あまり気が咎めない人もいる。もちろん、どちらも極端にではなく程度問題で…
バイクでの仕事で一番恐ろしいのは、雨に遭遇すること。バイク呉服屋の体が濡れてしまうだけなら全く問題は無いが、もし品物を積んでいたとしたら大変である。濡れてしまったキモノや帯の修復は大変で、元に戻らないこともあり得る。大切…
東京23区内のマンション平均価格は、7千万円以上。うちの取引先が集中する中央区人形町や浜町界隈も、ここ数年のうちに新しいマンションが次々と建設されていて、町の姿は、問屋街から居住区へと姿を変えつつあるが、都心に近い中央区…
うちの店の入り口には、小さなショーケースが設えてある。普段ここは、丈の短い撞木(品物を掛けて見せる道具)を一本置き、反物や帯を掛けている。店はアーケード街の中にあるのだが、入り口に近いために、夕方になると西日が射し込んで…
紋の需要は、フォーマルモノの売れ行きと大きく関わっている。第一礼装として使う、黒留袖や喪服、男モノ黒紋付には絶対に紋を欠かすことは出来ず、それに準ずる色留袖や色無地にも必要になる。 とはいえ、どの家にも和装のフォーマル品…
毎年、5月の連休が終わる頃には、花粉の飛散が無くなる。患者数は全国で約二千万人。今や国民病とさえ言われるこのアレルギー症に苦しむ人達にとっては、ようやく憂鬱な季節から開放されて、さぞホッとされていることだろう。 花粉が心…
早いもので、このコラムブログもこの5月で、8年目を迎えます。53歳から書き始めた私は、今年で還暦。この7年の間、呉服屋としての自分の仕事に大きな変化はほとんどなく、淡々と時間が過ぎてきたような気がします。 地方の小さな呉…
突然だが、皆様には「自分の心の中に秘めている思い出の人」は、おられるだろうか。無論、今の配偶者や恋人以外で、である。 では、その懐かしい人を思い出すのは、どんな時だろうか。おそらく、普段の生活の中で、リアルにその人のこと…
またとない10連休も、もう後半戦。皆様はどのように過ごされているのだろうか。残り少なくなった休日を数えながら、仕事が始まることへの憂鬱を、感じ始めておられる方も多いだろう。 様々な調査を見ると、そもそもこの連休中に旅行、…