バイク呉服屋の忙しい日々

2013年10月の記事

当店では、「展示会」というものをしない。催し物と言えるかどうかはわからないが、年二回のバーゲンセールを4月と11月に3,4日ほどするだけである。 「そのためにすること」、と言えばとりあえず顧客の皆様に案内の葉書を送るくら…

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近年、「小紋」の存在感は薄い。その位置づけは「カジュアル」=「普段着」というのが一般的であるが、街着を選ぶ方は「紬などの織物」を好む方のほうが多く、小紋に目を向けることが少ない。紬は産地ごとに特徴があり、「着心地」も多様…

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キモノというものには、それを着用する時の基本的な「ルール」というものが存在する。常識として知られているのは、例えば「織のキモノ=紬類」はいかに高価なものでもフォーマルには使えない。「式服」の場合など、当然着るアイテムが決…

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「文様」の再現と言う点からみると、「龍村」の果たしている役割は大きい。特に「上代裂」という「正倉院・東大寺」や「法隆寺」に伝わる数々の「裂」の「うつし」は龍村の品を通してほとんど理解することができる。この「上代裂」は多く…

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時間の制約がない旅というのが一番贅沢なことだと思う。自由に自分らしく、思うままに「時間」を使えることは、ある程度「若い時」でなければ難しい。 「むかしたび」は私が「自由に時間を使えていた頃」の話であり、私自身の「アーカイ…

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「大学で日本史を専攻していた」というと、お客様から「やっぱり呉服屋さんらしいのね」などと言われることがある。 普通の跡継ぎであれば、「染織史」などを学んで、後々の仕事に役立てようとするだろう。しかし「呉服屋」になることを…

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うちの娘達は一歳違いずつ三人である。だからそれぞれが「七・五・三」という年があった。一応「呉服屋の娘達」なので、その年には三人にキモノを着せた。もう15年も前のことだが、その時彼女等が着たモノは、次の代に受け継がれる。た…

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牛首紬の故郷、白峰村を訪ねたのはもう30年以上前になる。福井県の勝山から京福バスで延々と辿った道が懐かしい。白山を眼前にして、藁葺きの家が散在する山深い里であった。「桑島温泉」に浸り、名物の堅い豆腐を食べた記憶が甦る。 …

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「用の美」という言葉をご存知だろうか?これは「人々の日常の暮らしの中にある美」のことを示している。 柳宗悦が提唱した「民藝運動」のことは、以前このブログの「芹澤銈介」の稿で少しお話させていただいたが、端的に言えば「美」と…

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キモノをよい状態に保つためにもっとも必要なことは、「風を通すこと」であろう。 一昔前までは、年に二度ほど「箪笥の中」のものを取り出し、部屋の中で、少し吊るされ、風を入れていた。この作業は、「虫干し」の効果もあるが、一番の…

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このブログに掲載されている品物は、全て、現在当店が扱っているものか、以前当店で扱ったものです。

松木 茂」プロフィール

呉服屋の仕事は時代に逆行している仕事だと思う。
利便性や効率や利潤優先を考えていたら本質を見失うことが多すぎるからだ。
手間をかけて作った品物をおすすめして、世代を越えて長く使って頂く。一点の品に20年も30年も関って、その都度手を入れて直して行く。これが基本なのだろう。
一人のお客様、一つの品物にゆっくり向き合いあわてず、丁寧に、時間をかけての「スローワーク」そんな毎日を少しずつ書いていこうと思っています。

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