バイク呉服屋の忙しい日々

その他

バイク呉服屋の、「菱一」グラフィティ  フォーマル・絵羽編

2019.04 29

平成も、残すところあと二日。10日間という、これまでにない長い連休の間に、時代は変わり目を迎える。そんな中で、一般の人々は、改元よりもむしろ、与えられた休暇をどのように過ごすかということに、目が向いているようにも思える。

平成の30年は、バブルが崩壊した後、失われた20年とも呼ばれた経済の停滞があり、そこに度重なる災害が加わるという、大変な時代だった。またITが生活の隅々にまで浸透し、社会は大きく変わった。何事も、便利で効率良くなったものの、深刻な少子高齢化と人口減少が重い課題としてのしかかっている。

そして、過度に情報化が進んだためなのか、急き立てられるように、時間だけが過ぎていく気がする。令和が終わる頃には、果たしてどんな国になっているのだろうか。

 

バイク呉服屋も、この連休中には休みを取る。いつも無い頭を絞って、皆様にお話をさせて頂いているが、最近はとみに書く力が落ちている。原稿に費やす時間が、以前より格段に長くなっているのが、その証である。だから少し休んでリフレッシュし、新たな気持ちでまた仕事に臨みたいと思う。

だが、そうは言うものの、ブログを全く休んでしまうというのも、寂しい。そこで今年も、これまでにご紹介した品物の画像を、改めてご覧頂くことにしよう。

今回は、今年2月限りで廃業した「菱一」の品々。昭和、平成とバイク呉服屋のウインドを飾ってきた「江戸の呉服専門問屋」は、これまでどのような品物を扱ってきたのか。今日から二回にわたって、振り返ってみることにしたい。沢山品物があるので、今回は振袖、留袖、訪問着などのフォーマル絵羽だけを選んでみた。

なお、品物それぞれの画像の下には、ご紹介した稿の日時を記載するので、興味がある方は、改めてそちらもお読み頂きたい。では、早速始めることにしよう。

 

長い間、神田鍛冶町で商いを続けてきた菱一。玄関に紅白の幕を飾って取引先を迎える。これは5年前の正月の様子。その後、馬喰町のビルの二階に移る。

 

(多色地色 連山切り込み四季花模様・京友禅振袖  2014.2.19)

 

(熨斗に八弁正倉院宝相華文様・京友禅黒留袖  2014.3.26)

 

(白鼠地 四季花山水模様・京友禅色留袖  2014.12.10)

 

(白地 疋田雲取に宝尽し模様・京型友禅振袖  2015.1.21)

 

(勿忘草色地 小花小宝尽し蔓模様・京型友禅訪問着  2015.10.21)

 

 

(籠目に桐模様・京友禅黒留袖  2015.11.8)

 

(道長取連山御所解模様・江戸友禅黒留袖  2015.11・8)

 

(黒地 立枠に楓・撫子・笹模様・京型友禅振袖  2016.1.12)

 

(水色地 桜楓枝垂れ模様・京型友禅振袖  2017.1.29)

 

(黒地 松竹梅模様・京型友禅振袖  2017.3.19)

 

(薄水色裾ぼかし 百合に秋草模様・絽訪問着  2017.7.19)

 

(薄鼠色地 大羊居『那須散策』・江戸友禅訪問着 2017.9.9)

 

(黒地 雲取に桐唐花模様・京型友禅振袖  2018.1.28)

 

(群青地 四季花貝合せ模様・京型友禅振袖  2018.2.21)

 

(薄白鼠色地 観世流水御所解模様・江戸友禅絽色留袖  2018.7.29)

 

(白地裾ぼかし 大羊居『春桜秋楓』・江戸友禅訪問着  2018.9.27)

 

(薄桜色裾霞ぼかし 桜花散し模様・京友禅訪問着  2019.4.5)

 

振袖7点、黒留袖3点、色留袖2点、訪問着5点、全部で17点の品物をご覧頂いた。こうしてそれぞれの品物を見ていくと、御所解、立枠、貝合わせ、宝尽くしとオーソドックスな古典、有職文様を多用し、そこに四季の花を散りばめるという、極めて重厚な柄行きが多いことが判る。

「きものを創る」を社是として掲げ、質にこだわって品物を扱い続けた菱一。会社は無くなってしまったが、品物は残る。そして、この先何十年経とうが、その意匠が色褪せることは無いだろう。

今回、画像をご紹介するにあたり、これまで稿の中で取り上げた菱一の品物を数えてみたところ、全部で61点あった。次回は、アイテムの中で最も多かった「付下げ」をご覧頂くことにしょう。

 

今日29日は、昭和の日。偶然にも昭和天皇の誕生日に、平成最後の稿を書くことになりました。

思えば、私が生まれたのは1959(昭和34)年なので、昭和の時代を30年、そして平成の時代を30年、それぞれ過ごしてきたことになります。令和の時代が何年続くのか判りませんが、もしかすると、私にとって最後の元号になるかも知れません。

そう考えると、人生の残り時間が限られてきているように感じます。新しい時代を迎えるにあたり、改めて、これからの一日一日を大切に過ごしたいと思います。

今日も、最後まで読んで頂き、ありがとうございました。なお、5月2日~6日まで、お休みを頂きます。メールの返信も7日以降になりますので、何卒お許し下さい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日付から

  • 総訪問者数:1068400
  • 本日の訪問者数:391
  • 昨日の訪問者数:677

このブログに掲載されている品物は、全て、現在当店が扱っているものか、以前当店で扱ったものです。

松木 茂」プロフィール

呉服屋の仕事は時代に逆行している仕事だと思う。
利便性や効率や利潤優先を考えていたら本質を見失うことが多すぎるからだ。
手間をかけて作った品物をおすすめして、世代を越えて長く使って頂く。一点の品に20年も30年も関って、その都度手を入れて直して行く。これが基本なのだろう。
一人のお客様、一つの品物にゆっくり向き合いあわてず、丁寧に、時間をかけての「スローワーク」そんな毎日を少しずつ書いていこうと思っています。

ご感想・ご要望はこちらから e-mail : matsuki-gofuku@mx6.nns.ne.jp

©2019 松木呉服店 819529.com