バイク呉服屋の忙しい日々

現代呉服屋事情

ブログを始めた頃は、よく業界の内側の話をした。だから、この手の内容を分類するために、「現代呉服屋事情」というカテゴリーも設けてあるのだが、最近ほとんどご無沙汰だ。昨年は、現代離れしたバイク呉服屋のアナログ的商いについて、…

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その昔織物は、二つに大別された。高級品と見なされた絹織物が呉服であり、庶民の日常着として使った麻や綿織物は、別に太物と称されていた。細い絹糸に比べて、麻糸や綿糸は太く、特に手で紡ぐ糸は太さに大きな差があったことから、太物…

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江戸の昔、商いというものは、凡そ三つの形態に分けられていた。目抜き通りに大きな間口で店を開いていたのが「大店(おおだな)」で、大勢の従業員を雇い入れ、主に高級品を売っていた。米や塩、醤油などの食品を始め、金物や化粧品、書…

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「体裁を整える」とは、外見を気にするとか、見映えを良くするという意味だが、呉服屋における体裁とは何かを考えた時、それはお客様への品物の見せ方や、誂えた品物の納め方に対する気遣いに当たるように思う。清潔で居心地の良い店舗は…

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日光東照宮の表門をくぐると、すぐ左側に見えるのが、神厩舎(神に仕える馬をつなぐ小屋)で、この長押(なげし・柱の繋ぎ目)には、十六匹の猿の彫モノが施してある。その中には、両手で目・口・耳を塞いでいる猿が見えるが、これが良く…

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このところ、新聞の一面はコロナか五輪に限られているが、オリンピック開幕直後は、トップで金メダルを獲得した各種目の記事を載せ、下段にコロナ関連の情報が書かれていた。ところが、先週からの感染急拡大を受けて、トップにコロナ、下…

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工業製品とは、製造設備や体制を増やすことで、生産量を簡単にコントロール出来て、同じモノを容易に再生産出来る製品のこと。工芸製品とは、手仕事の作業で作るために、熟練した腕を持つ職人を増やさない限り生産数は増えず、同じモノの…

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童謡・通りゃんせは、明治の作曲家・本居長世が手掛けたとされるが、歌詞の方は、すでに江戸時代に出来ていたらしい。そんな詞の一節に、「この子の七つのお祝いに、お札を納めに参ります」とある。子どもが七歳まで健やかに育ったことを…

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モノの作り手を川上、消費者を川下と言うように、流通は川の流れに例えられる。そして、我々のような小売屋や問屋は、中間業者ということで川中の名前が付いている。どんな製品にも言えることだろうが、消費者には、モノを作る現場から店…

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初めて本格的な恋愛小説を読んだのは、確か高校2年の時だった。作品は、武者小路実篤の「友情」と「愛と死」。何故、この作品を手にしたのだろうか。今となっては全く覚えていないが、実篤がこの年(1976年)の春に亡くなっているの…

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このブログに掲載されている品物は、全て、現在当店が扱っているものか、以前当店で扱ったものです。

松木 茂」プロフィール

呉服屋の仕事は時代に逆行している仕事だと思う。
利便性や効率や利潤優先を考えていたら本質を見失うことが多すぎるからだ。
手間をかけて作った品物をおすすめして、世代を越えて長く使って頂く。一点の品に20年も30年も関って、その都度手を入れて直して行く。これが基本なのだろう。
一人のお客様、一つの品物にゆっくり向き合いあわてず、丁寧に、時間をかけての「スローワーク」そんな毎日を少しずつ書いていこうと思っています。

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